
はじめに
溢れる健康情報に振り回されていませんか?「結局何が良いの?」となっている方も多いでしょう。人間の身体は日々の食事で作られています。何を食べ、何を食べないか――その一つひとつの選択が、将来的な健康に大きく影響します。毎日の小さな選択の積み重ねが、あなたを病気から遠ざけることも近づけることもあるのです。本記事では、鈴木祐氏の著書『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』を参考に、科学的根拠に基づく「本当に体に良い食品」5つをご紹介します。

結局、何が体にいいの?
- 健康に興味があり、何を食べれば良いのか知りたい
- 本当に身体に良い食品を知りたい
- 信頼できるエビデンスに基づく健康情報を求めている
魚

魚は心臓病や一部のがんのリスクを下げ、寿命を延ばす効果があります。魚をメインディッシュに取り入れることは科学的にもおすすめです。2016年に欧州の権威ある栄養学術誌に掲載された、12件の前向きコホート研究を統合したメタアナリシスでは、魚をよく食べる人ほど全死亡リスクが低いことが明らかになりました。特に1日60g程度の魚を食べる人は、魚を全く食べない人に比べて死亡リスクが約12%も低いことが報告されています。さらに魚に含まれるオメガ3系脂肪酸(EPAやDHA)は動脈硬化を防ぐ効果があり、魚の摂取量が多い人ほど心筋梗塞や脳卒中など心血管疾患の発症率が下がるという研究も多数あります。例えば複数の研究をまとめたレビューでは、魚をよく食べる人は冠動脈疾患(心臓発作)による死亡を有意に減らせることが示されています。また魚を多く食べる人ほど乳がんなど一部のがんの発症リスクが低い可能性も報告されています。一方で「魚は水銀汚染が心配」という声もありますが、魚だけが特別に有害物質を含むわけではありません。むしろ魚の健康メリットは大きいので、少量でも良いから毎週コツコツと魚を食べる習慣をつけるのが良いでしょう。
野菜と果物

野菜と果物の摂取量が多い人ほど寿命が長く、心臓病による死亡リスクも低いことが科学的に確認されています。16件の追跡研究をまとめた大規模メタアナリシスでは、果物を1日1食分追加するごとに全死亡率が6%低下し、野菜では5%低下すると報告されました。特に1日5食分の果物・野菜を食べれば健康上のメリットは十分で、それ以上食べても死亡リスクの追加的な低下は頭打ちになることもわかっています。一方で果物や野菜を多く摂ってもがんの予防効果は統計的に有意ではないことも示されています。しかし野菜・果物は心臓病など他の生活習慣病リスク低減には有益です。重要なのは、ジュースやピューレなど加工品では効果が期待できない点です。例えばハーバード大学の研究では、果汁100%であってもフルーツジュースを習慣的に飲む人は糖尿病発症リスクが高いことが明らかになりました。毎日コップ1杯以上のフルーツジュースを飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ最大で21%も糖尿病になりやすかったのです。野菜ジュースに関しては科学的エビデンスが不足しています。ジュースで「野菜や果物を摂ったつもり」になるのは危険ですので、できるだけ生の果物や野菜をそのまま食べるようにしましょう。
茶色い炭水化物

「茶色い炭水化物」つまり未精製の全粒穀物は、寿命を延ばし様々な病気のリスクを下げます。白い精製炭水化物ではなく、玄米や全粒粉パン、蕎麦などの茶色い炭水化物を選びましょう。米国ハーバード大学の研究チームによるメタアナリシスでは、米国・英国・北欧の約78万人分のデータを解析し、1日70gの全粒穀物を食べる人は、ほとんど食べない人に比べ死亡率が22%も低いことが示されました。さらに全粒穀物を十分に摂っている人は心血管疾患による死亡リスクが23%減り、がんによる死亡リスクも20%減るという結果でした。動脈硬化が原因となる心筋梗塞や脳卒中などの疾患リスクも、おおむね2割前後低下すると考えられます。糖尿病予防の観点でも白い炭水化物より茶色い炭水化物が優れています。ハーバード大学の別の研究では、白米から玄米など全粒穀物に置き換えることで糖尿病の発症リスクを大幅に減らせると報告されました。具体的には、1日50gの白米を玄米に置き換えると糖尿病リスクが16%低下し、同量を他の全粒穀物(全粒粉パンやオートミール等)に置き換えるとなんと36%もリスクが低下すると推定されています。全粒穀物はダイエットにも有効です。中年男性を対象にした研究では、全粒穀物の摂取量を40g/日増やすごとに8年間の体重増加が1.1kg少なかったことが確認されました。他の複数の研究でも、茶色い炭水化物を多く食べる人ほどBMI(体格指数)が低く、腹囲が細い傾向が一貫して示されています。また全粒穀物に豊富な食物繊維は便秘予防に効果的で、大腸の炎症性疾患(憩室炎など)のリスク低下にも寄与すると考えられています。ダイエットや生活習慣病予防のためにも、主食は精製度の低い茶色い炭水化物を選ぶようにしましょう。
オリーブオイル

オリーブオイルをたっぷり使う地中海食は、脳卒中や心臓病、糖尿病、がんのリスクを下げることが分かっています。スペインで行われた有名な臨床試験「PREDIMED研究」では、心疾患リスクの高い人々を対象に3つの食事法を比較しました:(1)地中海食+エクストラバージン・オリーブオイル毎週1リットル、(2)地中海食+ミックスナッツ1日30g(クルミ15g・ヘーゼルナッツ7.5g・アーモンド7.5g)、(3)一般的な低脂肪食です。約5年間の追跡調査の結果、(1)と(2)の地中海食グループは、(3)の低脂肪食グループに比べて脳卒中や心筋梗塞など心血管イベントの発生率が30%近く低下しました。地中海食は2型糖尿病の発症リスクも約30%低下することが他の研究で報告されており、メタボ予防にも有効と考えられます。また2016年に発表されたメタアナリシスによると、地中海食を忠実に実践している人はがんによる死亡率が14%低く、大腸がんなどいくつかのがんの発症率も有意に低いことが示されました。例えば大腸がんのリスクは地中海食をよく守る人で約18%低下していました。地中海食の恩恵は主に果物・野菜、全粒穀物、そしてオリーブオイルやナッツ類によるものと考えられています。オリーブオイルはオレイン酸など一価不飽和脂肪酸が豊富で、悪玉コレステロールを減らし動脈硬化を防ぐ働きがあります。調理油をオリーブオイルに変える、サラダに積極的にかけるなど、日々の食事にエクストラバージン・オリーブオイルを取り入れると良いでしょう。
ナッツ類

アーモンドやクルミなどナッツ類には心臓病やがんを予防する効果があり、長寿にもつながります。先述の地中海食研究でもナッツ類の摂取が健康長寿に寄与することが示されましたが、ナッツ単独の効果も注目されています。米国で行われた大規模追跡研究では、毎日一握りのナッツを食べる人は、ほとんど食べない人に比べて30年間の全死亡リスクが約20%低いことが報告されました。特に心臓疾患による死亡リスクは29%も低下し、がん死亡リスクも11%低いという有意な差が出ています。ナッツをよく食べる人は食べない人に比べて太りにくい傾向も確認されており(ナッツを日常的に食べる人のほうが体型はスリムでした)、適量のナッツを間食に取り入れることはメタボ防止にも有効です。ナッツ類はビタミンEや食物繊維、良質な脂肪を豊富に含み、動脈硬化を防いでくれます。もちろんカロリーは高いので食べ過ぎは禁物ですが、1日ひとつかみ(20~30g程度)の素焼きナッツをおやつ代わりに食べる習慣は健康維持に有益と言えるでしょう。
まとめ
上で紹介した5つの食品は、信頼できる複数の研究でその健康効果が確認されています。以下の表に、著書で提示されている食品グループの分類をまとめます:
| グループ分類 | 説明 | 食品の例 |
|---|---|---|
| グループ1 | 複数の信頼できる研究で健康に良いと報告されている食品 | 魚、野菜と果物、茶色い炭水化物、オリーブオイル、ナッツ類 |
| グループ2 | 少数の研究で健康に良い可能性が示唆されている食品 | ダークチョコレート、コーヒー、納豆、ヨーグルト、酢、豆乳、お茶 |
| グループ3 | 健康へのメリットもデメリットも特に報告されていない食品 | その他大多数の一般的な食品 |
| グループ4 | 少数の研究で健康に悪い可能性が示唆されている食品 | マヨネーズ、マーガリン(※トランス脂肪酸を含むタイプはグループ5) |
| グループ5 | 複数の信頼できる研究で健康に悪いと報告されている食品 | 赤い肉(牛肉・豚肉など。鶏肉は除く)および加工肉(ハム・ソーセージ等)、白い炭水化物(じゃがいも含む)、バターなど飽和脂肪酸 |
科学的根拠に基づけば、普段の食事から塩分と精製された白い炭水化物を減らし、代わりに魚、野菜と果物、茶色い炭水化物、オリーブオイル、ナッツ類を増やすことが最も健康に良い食事と言えるでしょう。著書『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』には今回紹介した内容の参考文献が詳細に記載されており、いずれも科学的エビデンスに裏付けられています。ぜひ科学の力で裏付けられた「身体に良い食品」を日々の食生活に取り入れ、豊かで健康的な人生を送りましょう。

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